大学の医局に入局したころは月給3万円(昭和初期とかの話じゃないですよ)。喰っていけないので夜は先輩にコバンザメだし、仕送りをしてもらっている連中だっていました。
本気で生活保護の申請に行ったヤツもいます。 バイトといってもろくなコトはできませんので、老人病院の当直くらい。 それも医局員がたくさんいれば分け合って行かなければなりません。 そんな中、たまに担当の患者さんから謝礼をもらうことがありました。1万円だって月給の1/3ですから、もう死ぬほど嬉しいわけです。 昔々、医局にいた頃の謝礼話、二題。 1.おばあちゃんの心付け 教授が執刀するおばあちゃんの担当医になったとき、入院してきたおばあちゃんに手術の話なんかをお話しして、病室から帰ろうと思った瞬間、白衣のポケットに何かを入れられました。 おばあちゃんは人差し指を唇の前で立てて、「しーっ」のポーズ。 医局に帰ってからポケットの中身を見てみると・・・ティッシュに包んだおまんじゅうが1個、ニコニコしながらころがり出てきました。 2.退院時の封筒 その患者さんも無事手術を終わり、目出度く退院の運びとなりました。 退院時、ベッドサイドに行った私に丁寧に封筒を差し出しました。 「いやいや、こんなことはされなくても困りますから」 一応、心にも無いことを言ってしまいます。 「いや、診断書なんですけど」 「・・・・」
by yabureisha
| 2007-08-02 10:16
|
ファン申請 |
||